メモリー 平成二十三年十一月場所 十三日目

東幕下1  徳真鵬  〇  寄り倒し  ●  西幕下14  千昇


千昇  6勝1敗 


少し前のことだが、もう一度振り返ってみたい。
西14枚目で6戦全勝の千昇。
この戦いに勝利すれば、全勝優勝で関取の椅子を手に入れることができた。
対する徳真鵬。
十両経験があるも幕下筆頭でこの戦いに勝てば、返り十両。もし負ければ、現在の地位より下がってしまう。


まさにこの場面も関取の椅子をかけたデスマッチだった。
千昇の不利になったのは、前の相撲で潮光山が、同じ全勝で負けてしまったこと。
目の前で見たので、余計それがプレッシャーになったかもしれない。


そんな状況だったからだろうか。
千昇、正直、硬かった。
表情も相撲も・・・・。



しかし、この敗戦の悔しさが千秋楽の幕下優勝、そして、一月場所につながったと思われる。
佐久間山の一戦、この硬さは全く感じられなかった。
ひとつひとつ着実に足を踏みしめながら、高みに向かい歩んでいる実感がある。